「東京ブギウギ」は言わずと知れた服部良一の歌謡曲だが、ご当地版の「名古屋ブギ」が存在する。
去年からこの曲を気に入って、サクソフォンとピアノにアレンジし、アドリブ満載でたびたび演奏している。
本家の録音
「東京ブギウギ」に同じく笠置シズ子さんによる歌唱で、
「大須」や「納屋橋」などの地元ワードが登場し、名古屋に住んでいる身として面白い。
楽曲のキャラクターも立っているし、特徴的なベースラインや、途中のブレイクなど、工夫も感じられる。
福祉施設のアウトリーチなどで「東京ブギウギ」とセットにして演奏するのだが、毎度なかなか盛り上がる。
しかし、
80~90代の方でもこの曲のことを知らない方が多数で、話を聞いてみると「名古屋のブギウギがあったんだ」「本当に笠置シズ子が歌ってるの?」という声がほとんど。
↑合田道人さんの著書『ご当地ソング大百科』は、各県のご当地ソングが10番までランキング形式で紹介され、発売年や作品のエピソードほか、その県の方言なども書いてあってかなり面白い。
愛知県のページでは “名古屋の歌はヒットしない” というジンクスが紹介され、名古屋ブギの興行が空振りに終わったことが書かれている。
そして思いもよらず
調べ物をしている最中に名古屋ブギが初演された演奏会の情報を発見した。
1949年12月21~25日に名古屋御園座で開催された「歌のXマスプレゼント」という演奏会。
名古屋ブギが生まれたのは、名古屋タイムズという、かつて発行されていた夕刊紙の新聞会社が主催した演奏会がきっかけだった。

(名古屋タイムズ 1949年12月19日)
新聞社が主催だけあって、この他にも大きな広告が沢山出ていて、
服部良一、笠置シズ子のロングインタビューもいくつも掲載されており興味深かった。
演奏会後の出演者インタビューで、
演奏会中、最前列の客がコンサート中に弁当を食べていたらしく、「名古屋田舎すぎないか?」ということが話題になっていた。
なんかごめんなさい、という気持ちになった。
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75年前の名古屋ブギ、これから流行らせていきたい。