7/19 大阪でリサイタル

ピアニストの丸尾さんとは大学の同級生で、10年以上の付き合いになる。

丸尾さんはネイガウス派と呼ばれる、ロシアン・ピアニズムの奏法を軸にして自分の世界を表現する創造的なピアニストだ。

 

彼と初めて共演したのはドビュッシーのトリオで、幻惑的な響きに包まれ「なんでこんなに吹きやすいんだろう?」と衝撃を受けたのを鮮明に覚えている。

 

丸尾さんは今関西を中心に活動しているが、愛知を拠点としていた時期も長く、その時期はたびたび共演し、一緒にコンクールに出たりもした。卒業したての頃は時間を度外視して、何時間も合わせに付き合ってくれた。

ピアノとニュアンスを合わせていく作業から本当に多くのことを学ぶことができたし、今でも大きな財産になっている。

 

彼とつるんでいるうちにネイガウス派についてそれなりに詳しくなったし、彼はサックスの音だけ聴いて各メーカーのモデルを言い当てるという時技をいつの間にか身につけていた。

 

・・・

 

ある年、アーティスト契約をしていた「長久手市文化の家」の事業で、オランダのサクソフォン奏者Arno Bornkamp氏を招聘し、須川展也先生とのデュオリサイタルを企画するという、今思い返しても夢のような出来事があった。

その前後でArnoのレッスンを丸尾さんと受けることができ、二人してArnoの奏でるBuffet Cramponの音色、室内楽的な表現に心奪われてしまった。

そこからBuffet CramponのSenzoを購入するまでそう時間もかからなかった。(衝動的な勢いもありフルローンで購入)

 

音楽観から楽器のことまでピアニストと共有できるというのは幸せなことだと思う。

 

 

今回の演奏会ではこれまでに彼とよく演奏していたレパートリーを取り上げる予定。久しぶりの共演が楽しみ。